1. 日本新金属株式会社について
日本新金属は、国内で唯一、タングステン精鉱からAPT、酸化タングステン、タングステン粉末およびタングステンカーバイド粉末までの一貫生産能力を有するタングステン製品メーカーです。秋田工場では、回収したタングステンスクラップやタングステン中間原料を用い、超硬工具、半導体・電子材料、二次電池関連材料、医療用製品など幅広い産業向けに高品質なタングステン製品を供給しています。
2. 投資の背景
タングステンは、超硬工具に加え、半導体・電子材料、二次電池関連材料、医療用製品など幅広い用途で使用される重要鉱物です。一方で、日本国内ではタングステン原料の多くを輸入に依存しており、特定国への依存や輸出管理強化などにより、安定調達に関する不確実性が高まっています。
こうした環境のもと、日本新金属は、国内で発生するタングステンスクラップの活用拡大に取り組んできました。しかし、タングステン関連製品の需要に対して、現状のリサイクルおよび湿式精錬設備の処理能力には制約があり、輸入中間原料への依存低減と国内供給力の強化が重要な課題となっています。
本投資では、湿式精錬設備をはじめとする各種設備を増強することで、タングステンスクラップからAPTまでの内製能力を高め、年間約1,200トン(WO3換算)の輸入中間原料を国内リサイクル由来原料に置き換えることを目指します。これにより、特定国への依存低減、国内サプライチェーンの強靱化、ならびにタングステンの資源循環促進に貢献します。
3. 中期経営戦略との関係
当社グループは、中期経営戦略(2026~2028年度)において、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を基本方針に掲げています。タングステン事業においては、2030年度までにタングステン製品製造拠点におけるリサイクル比率100%を目指しており、本投資は、日本国内におけるタングステン資源循環基盤を強化する重要な取り組みの一つです。
当社グループは、今後も日本新金属、H.C. Starckをはじめとするグループ各社の技術・事業基盤を活用し、国内外でタングステンリサイクルの取り組みを推進することで、重要鉱物の安定供給と資源循環型社会の実現に貢献していきます。
【関連情報】
経済産業省「重要鉱物に係る安定供給確保を図るための取組方針」関連ページ
URL:https://www.meti.go.jp/policy/economy/economic_security/metal/index.html
タングステンリサイクル工程(日本新金属HP)
URL:http://www.jnm.co.jp/ja/sustainability/recycle.html